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12月
25

俺の妹がこんなに可愛いわけがない

「甘えられたい」「守ってあげたい」、そういう被保護者の存在でアイデンティティを確立するのが「妹萌え」、というのはいささか穿ちすぎだが、「妹」というのが保護欲の対象を象徴するワードとして扱われているのは間違いない。
心理学的考察なんて、それこそフロイトやユングしか知らなくても論拠を探すのになんの苦労もいらんので省略。

「妹萌え」というのはこの「保護欲の対象の象徴」としてとどまっているのが大半で、血縁と恋愛関係のインモラルさに酔うところまで行き着くケースは少ない。そういうのは三島か夢野かフェアリーダストにでもに任せて、ここでは『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』をピックアップ。

俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈2〉 (電撃文庫)

著者/訳者:伏見 つかさ

出版社:アスキーメディアワークス( 2008-12-05 )

文庫 ( 372 ページ )


リアル妹がいないのでなんともいえないが、「あー、ありそう」と納得してしまうシチュエーション。
妹がツンデレというのは珍しくもないが、「デレ」加減が絶妙。普段は兄を罵る、にらむ、シカトする。でも秘密をカミングアウトするのに兄を選ぶ「デレ」。いや「デレ」ではないな。最後の最後で存在する「信頼」。主人公が自分で言うように「どうでもいい」と思っているからカミングアウトするではなくて、どうなっても最後には味方でいてくれるはずの兄への信頼。で、マニアの習性で、自分の趣味に引きずり込もうとするのな。本当に嫌いならばシカトし続けますって。
兄のほうも同じようなもので可愛がりたくてしょうがないのに、嫌いだといい、最低限のコミュニケーションしかとらない。意地っ張りの似たもの兄妹。
兄の一人称で小説は書かれているが、この兄妹の母親になったつもりでニヤニヤしながら読むのが吉。

SFやファンタジーじみた設定はないが、キャラクターが立っていて、物語にもメリハリがあり読後に爽快感が残る。2008年最大の収穫と言ってもいいだろう。読むべし。

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12月
16

ツンデレの教科書

ゼロの使い魔〈9〉双月の舞踏会 (MF文庫J)

著者/訳者:ヤマグチ ノボル

出版社:メディアファクトリー( 2006-09 )

文庫 ( 262 ページ )


「今度『ツンデレ喫茶』ができたそうだ」
一般ピーポーなら朝っぱらからなに言ってんだコイツ、と思いっきり「ひく」ようなことを隣の席のヤツが神妙に教えてくる。
「メイドカフェは『おかえりなさいませご主人さま』だが、ツンデレ喫茶は『何しにきたの、おにーちゃん』なんだ」
まだ起きて間もない頭では金払ってまで「何しにきた」なんて言われたくねーなー、と思うのが関の山だった。

「ツンデレ」が市民権を得たはじめのころは「アンチ」が結構いた。何がかわいいのかわからないから。言動とウラハラのその心情、たとえば憎まれ口をたたきながら赤面するという不器用さへの愛着をわかりやすく示すものがなかったからだ。

「ツンデレ」を理解しようと思ったら「ゼロの使い魔」シリーズを読めばよい。ヒロインのルイズがすべてを語ってくれる。ルイズってツンデレレベル56くらい?

受験教養レベルもない世界史の知識でもこのシリーズの舞台が中世ヨーロッパのアナグラムになっていることぐらいは理解できる。エピソードを詰め込みすぎるきらいはあるが、テンポよく進み、先の展開が楽しみになるくらいのストーリーではある。ラブコメの常で主人公がやたらモテるのがイマイチ願望充足的でなんだかなーというところか。これは好きずきだが。

アニメはまだ見てないのだが、ルイズよりひそかにシエスタが楽しみだったりする。いやまあメイドさんだし。

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