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ワンダービット/島本和彦

2007年 11月 19日 chrno Posted in 萌える稀覯本 | No Comments »

ワンダービット2 (MF文庫 9-8)

著者/訳者:島本和彦

出版社:メディアファクトリー( 2007-09-01 )

文庫 ( 304 ページ )


15年前のアスキー出版の雑誌は勢いがあった。月刊アスキーは広辞苑かと見まごうほど厚く(ちょっと大げさ)、広告も多かったが記事のクオリティーが半端じゃなかった。なんていうか中身が「濃い」のだ。MacPowerしかり、EYE・COMしかり。アスキー系の雑誌を読んだあとはソフトバンク系の雑誌など読む気がしなかった。
アスキー系の雑誌の特徴は編集者が表に出ることだ。中でもログインが顕著。あの頃のログインは現在のログインの3倍は「変な」雑誌だった。編集者のほとんどがニックネームを持ち、記事の端々、ときにはど真ん中に登場していた。半分ノリで作ってんじゃねーの、というライブ感が熱かった。
そんな状況で連載に島本和彦を採用するのはいわば必然だったといえよう。萌えというより燃え。

『ワンダービット』、今読み返すとギャグありの『ザ・クレーター』のような印象。
SFの短編マンガというもの自体が希少な存在だが、手塚治虫、藤子不二夫、萩尾望都が少年マンガ誌に描いたものとならんで五指に入る作品ではないか(もうひとつはふくやまけいこがSFマガジンに書いていたヤツ)。

ログイン掲載時から好きだった「山ちゃんと魔法のランプ」。
願いを1万個増やす願いをした山ちゃん。ところが3千個ぐらいで欲しいものを全部手に入れてしまい無気力な日々を送る山ちゃんは残り全部で生きがいを与えてくれとランプの精に願う……。島本節全開である。
正義の味方が多数集まり「正義」について議論するがコンセンサスが得られず煮詰まってしまう話、東京に上陸した巨大怪獣と巨大化した女子プロレスラーが戦う話、自由意志を持った電化製品の話など、今読んでもまったく陳腐化していないのが驚きだ、というか、良質のSFであることの証明だろう。
必読。

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